LINE公式アカウントでチャットボットを活用するには?

「チャットボット」と聞いて、皆さんは何を想像しますか?
「ChatGPT」といったAIや人工知能による自動会話システムを思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。
「チャットボット」と一口に言っても、活用方法は多岐に渡り、LINEでもチャットボットを使ってユーザーとコミュニケーションを取ることができます。
今回は、LINE公式アカウントのチャットボットが持つ機能をはじめ、チャットボットの活用によって企業とユーザーの双方が得られるメリットや、ユーザーとのコミュニケーション方法など、詳しくご説明します!
TOPICS
チャットボットとは?
チャットボットとは、「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」の組み合わせから生まれた言葉で、人間の代わりに自動で会話を行うプログラムのことです。
主にテキストや音声を通じて、ユーザーの質問や要求に対して自動的に応答するシステムとして機能します。WebサイトやLINEなどのメッセージアプリ上で幅広く利用されており、近年は企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進や、新型コロナウイルス感染症拡大による非対面コミュニケーションの需要増加を背景に、導入が急速に進んでいます。
▼チャットボットの主要な役割
・カスタマーサポート業務の効率化
・24時間365日体制での顧客対応
→企業の担当者は定型的な問い合わせ対応から軽減される
結果として、担当者はより複雑な問題解決や戦略的な業務に注力できるようになります。
また、ユーザーにとっては、必要な情報をいつでも手軽に入手できる利便性から、顧客満足度の向上にもつながります。
特にLINEにおけるチャットボットは、多くのユーザーが日常的に利用するLINEアプリ上で顧客対応を可能にするため、非常に有効です。LINE公式アカウントにチャットボットを導入することで、ユーザーは使い慣れたプラットフォームで質問や相談ができるようになり、企業側はユーザーとの接点を強化し、顧客エンゲージメントを高めることができます。
最近のチャットボットは、AI(人工知能)や自然言語処理(NLP)といった技術の進歩により、その性能が著しく向上しています。これにより、単なるキーワード応答だけでなく、ユーザーの質問意図を正確に理解し、より自然で人間らしい会話が可能になりました。さらに、過去の会話データを学習し続けることで、回答の精度を向上させ、ユーザー一人ひとりにパーソナライズされた応答を提供することもできます。
チャットボットを活用するメリット
LINE公式アカウントでチャットボットを活用する大きなメリットは、主に「顧客対応工数削減」と「機会損失防止」の2点です。
1.顧客対応工数削減
1つ目は、顧客対応にかかる工数を大幅に削減できる点です。
友だち登録数の増加に伴い、チャットでの問い合わせも増える傾向にありますが、チャットボットを導入することで、よくある質問や定型的な問い合わせに対して自動で迅速に対応することが可能になります。
▼具体的な活用シーン
・店舗の営業時間や住所の問い合わせ
・製品に関するFAQ
→担当者は人にしかできない重要な業務に注力できる
結果として、顧客満足度の向上と業務効率化を両立させることが可能になります。
チャットボットを活用することで結果として業務効率化を実現することが可能になりますが、LINEには他にも業務効率化を実現できる機能が幾つかあります。
以下のコラムでは、業務効率化を可能にするLINE公式アカウントのおすすめの機能や活用事例をご紹介しております、併せてお役立てください!
▼LINE公式アカウントで業務の効率化を実現! 工数削減など活用事例まで徹底解説
2.機会損失防止
2つ目は、ユーザーとの機会の損失防止に繋がる点です。
LINEチャットボットは24時間365日稼働しているため、ユーザーは企業の営業時間外や深夜、早朝など、人が対応できない時間帯でも必要な情報をリアルタイムに得ることが可能です。
これにより、顧客の「知りたい」というニーズに即座に応えられ、問い合わせの機会を逃すことを防ぎます。
▼具体的な活用シーン
・営業時間外での問い合わせ
・製品に関するFAQ
→ユーザー側は返答を待つ必要がないため、顧客体験の向上に直結する
結果として、サービス利用の離脱を防ぎ、企業の機会損失防止に大きく貢献します。
また、チャットボットは定型的な質問に対して一貫した正確な回答を提供するため、情報が不正確であるという心配も軽減されます。
これにより、顧客は自分の都合の良い時に必要な情報を手軽に入手できるようになり、企業側は潜在顧客の取りこぼしを防ぎ、顧客満足度を向上させることが可能となります。
チャットボット導入時の注意点
チャットボットには大きなメリットがある一方で、あらかじめ設定したメッセージを条件に応じて自動送信する仕組みであるため、以下のような注意点もあります。
1.複雑な個別対応には向いていない
1つ目は、複雑な個別対応には向いていない点です。
チャットボットは、あらかじめ設定された情報に基づいて応答する仕組みのため、複雑な内容や個別の状況に応じた柔軟な対応には限界があります。チャットボットは、あくまで「定型的な問い合わせ対応の効率化」が主な目的であり、イレギュラーな質問やユーザーの感情を汲み取る必要があるコミュニケーションには不向きである点を理解しておく必要があります。
また、LINE公式アカウントでチャットボットを導入する際には、どの範囲までチャットボットで対応させ、どこから人間のオペレーターが介入するかという明確な線引きが重要です。そのため、チャットボットでの対応が難しい場合は人間のオペレーターへのスムーズな引き継ぎフローを構築することが不可欠となります。
▼チャットボットのみで対応できる例
・よくある質問(FAQ)
・製品情報の提供
→回答が明確で変化の少ない内容であれば対応可能
▼チャットボットのみでの対応が難しい例
・顧客からの複雑なクレーム対応
・商品の返品・交換に関する複雑な手続き
・複数の要素が絡み合う問題解決
・個別の契約内容に関する問い合わせなど
→人間のオペレーターによる細やかなヒアリングや判断が必要
チャットボットの導入を検討する際は、自社の顧客がどのような問い合わせを多く寄せているのかを事前に分析し、チャットボットで対応できる範囲とできない範囲を具体的に洗い出すことが大切です。
これにより、チャットボットの利用範囲を適切に設定し、顧客満足度の低下を防ぎながら、業務効率化のメリットを最大限に享受することができます。
2.詳細に設計を行う必要がある
2つ目は、詳細に設計を行う必要がある点です。
チャットボットは、あらかじめ設定されたシナリオやキーワードに基づいて応答するため、ユーザーの多様な質問に対応できるように、綿密な計画が必要となります。特に、LINEユーザーは幅広い年齢層で利用しており、質問内容も多岐にわたるため、どのような質問が寄せられるかを想定し、それに対する適切な回答を準備しておくことが重要です。
詳細な設計を行う上でポイントが3つあります。
①「どのような目的でチャットボットを導入するのか」という点を明確にする
▼具体的な例
・カスタマーサポートの工数削減が目的:よくある質問(FAQ)への対応を優先的に設計
・商品購入の促進が目的:商品の特徴や購入方法に関する質問に対応するシナリオを充実させる
目的に応じて設計の重点が変わるため、チャットボットを導入する目的を明確にする必要があります。
②ユーザーの質問を具体的に洗い出し、対応するキーワードやシナリオを設定
▼具体的な例
・店舗の営業時間に関する問い合わせ:「何時から」「何時まで」など、複数の表現を想定して登録する
・誤字脱字や口語表現での問い合わせ:対応できるように柔軟なキーワード設定を心がける
これにより、ユーザーはストレスなく情報を得ることができ、チャットボットの利用率向上にも繋がります。
③スムーズに人間のオペレーターに引き継ぐ導線を設計
チャットボットだけで全ての質問を解決しようとすると、チャットボットでは対応しきれない複雑な質問や、個別対応が必要な場合には、かえって顧客満足度を損ねる可能性もあります。
そのため、適切なタイミングで有人対応に切り替えるフローを構築することで、より質の高い顧客体験を提供できます。
これらの詳細な設計を行うことで、チャットボットは単なる自動応答システムとしてだけでなく、顧客との有効なコミュニケーションツールとして最大限にその能力を発揮し、企業の業務効率化と顧客満足度向上に貢献するでしょう。
LINEでチャットボットを使って企業が気軽な話し相手に
「ユーザーからの問い合わせに多くの時間や人員を取られて、他の業務の対応ができない…」というお悩みを抱えるクライアント様は多いのではないでしょうか?
そんな時に活躍するのが、今回ご紹介するLINEのチャットボットを使った自動応答機能です。
自動応答機能とは?
自動応答機能によって、対応にかかっていた工数の削減や、ユーザーとのスピード感のあるコミュニケーションを行うことが出来ます。
さらにAIを活用すると単なる定型的な回答から脱却できるため、個別のリクエストに対しても柔軟な対応が可能になります。
また、ユーザーの問い合わせた内容に対してすぐに回答が来るため、ユーザビリティの高い価値体験の提供も可能です。
チャットボットを導入する企業だけではなく、ユーザーに対してメリットがあるのもチャットボットの魅力のひとつです。
LINE使えるチャットボットを知ろう
LINE公式アカウントでは2種類の設定方法があります。
1.応答メッセージ機能の使用
1つ目は、LINE公式アカウントの管理画面(OAM)から設定できる「応答メッセージ機能」を使用する方法です。
ユーザーからメッセージを受信した時に、自動でメッセージが送信されます。
この自動応答は、一般的な質問などの対応が可能で、事前に設定した情報を基にした応答を行うため、業務の効率化が図れます。
また、以下のコラムでは、応答メッセージ機能の設定方法や設定前に知っておきたいポイントについてご紹介しております、併せてお役立てください!
▼LINE公式アカウントの自動返信の設定方法 メッセージ機能と作り方
2.チャットボットツールの導入
2つ目は、ベンダーなどが開発・提供するチャットボットツールを導入する方法です。
ツールの導入により、「シナリオ型」と「AI搭載型」のチャットボットの利用が可能となり、ユーザーと発展的な会話をすることができます。たとえ相手が複雑な質問をした場合でも、リアルタイムで適切な返信を行うことができます。
そのため、企業は顧客サポートや情報提供において、より満足度の高い体験を提供することができます。
それぞれユーザーと行うチャットのコミュニケーション方法や、実現できる会話の難易度が異なるため、この後詳しくご説明します。
ユーザーのニーズに応じた最適なチャットボットを選ぶことが重要ですので、自社の目的やリソースに応じて選択していただければと思います。
APIを活用したシナリオ型とAI搭載型チャットボット
OAMで利用できるシンプルなチャットボットではなく、「ユーザーとより発展的な会話をしたい!」という方には、LINE社の提供するMessagingAPIを利用したチャットボットシステムの利用が必要です。
現在、さまざまな企業がチャットボットツールの提供を行っていますが、それぞれ強みとなるポイントが異なります。そのため、LINE公式アカウント内で実現したい会話にあったチャットボットを選ぶことが重要です。
このチャットボットシステムを利用する場合、「シナリオ型」と「AI搭載型」の大きく2つの方法があります。
また、以下のコラムでは、先ほどご紹介したMessagingAPIの導入により活用できる機能や活用方法についてご説明しております、併せてお役立てください!
▼LINEのMessagingAPIとは?機能や活用方法を解説!
シナリオ型
ユーザーが選んだ質問の選択肢によって、チャットボットが回答を提示する仕組みを指します。
事前に会話のシナリオをある程度想定し、会話の内容を登録しておくと、ユーザーの選択肢や発話内容に合わせてチャットボットのシステムが選択肢を自動で提示し、更にユーザーが選択するという流れを繰り返すことで、最終的にチャットボットから回答が提示されます。
ユーザーからの問い合わせ内容がある程度想定できる場合は、シナリオ型のチャットボットで会話のシナリオを設定しておくと、簡単にユーザーの求める情報を導き出すことが出来ます。
AI搭載型
ユーザーの発話内容や問い合わせ内容をAIが解釈して、統計的に最も正解になる確率の高い回答を、アルゴリズムによって算出して答えるというものです。
回答のパターンをAIが学習しながら見つけるため、ユーザーからの問い合わせ内容が複雑になる場合や予測できない場合などに最適です。
例えばよくある質問は、ある程度内容が固定されるので「シナリオ型」で実装を行い、在庫確認や予約といった柔軟性のある会話については「AI搭載型」を利用する、といったように場面に応じて使い分けを行うことが重要です。
このように、それぞれのチャットボットの特性を理解し、目的に応じた選択を行うことで、LINEでのコミュニケーションをより効果的にし、ユーザー体験を向上させることができます。
特に、AI搭載型のチャットボットは、単純な質問応答だけでなく、ユーザーとの自然な会話を実現し、よりパーソナライズされたサービスを提供することが可能となります。
LINEでのチャットボットは、単なる情報提供を超えて、ユーザーとのコミュニケーションを円滑にする役割を担います。
例えば、日常のちょっとした相談や雑談ができることで、ユーザーはより親近感を持てます。
また、24時間いつでも対応可能なため、ユーザーが必要なときにサポートを受けられる点も大きな魅力です。
このように、LINEのチャットボットは、顧客との関係構築を支援し、よりパーソナルなコミュニケーションを実現する存在です。
DialogOne®のご紹介(MessagingAPI)
MessagingAPIを導入することで、ユーザーとより発展的な会話が可能になる、とご説明しました。
弊社でも「DialogOne®」というMessagingAPIツールをご提供しておりますので、ご興味ございましたらお問い合わせください!
チャットボットを活用した事例
ここまでチャットボットを活用する上でのメリットや注意点、応答メッセージ機能についてご理解いただけたかと思います。
実際にチャットボットが活用された事例を知っていただくことでよりイメージができるかと思いますので、2つご紹介させていただきます。
(以下参照元:LINEヤフー for Business 事例)
また、以下のコラムでは、チャットボットに限らずLINE公式アカウントの機能を活用した業界事例についてご紹介しております、併せてお役立てください!
▼LINE公式アカウントの業界別活用事例や方法を徹底解説
教育機関
教育機関ではLINE公式アカウントの活用により教職員の「負担軽減」を図ることができます。
進学塾では、保護者や生徒とのコミュニケーションを効率化し、全ての生徒・保護者に一斉に迅速に情報を届けることができるようになったと報告されています。以前は、授業の進捗や重要なお知らせを手動で配信しており、情報伝達に時間がかかっていたという課題を抱えていました。
この課題に対し、「チャットボット」機能を活用し、よくある質問に自動で回答できるようにしたことで、運営側の負担が大幅に減少しました。保護者からの問い合わせが多かった学費の支払いや授業スケジュールに関する質問は、ほとんどが自動で回答されるようになり、教職員が直接対応しなければならない件数が半減しました。
これにより、教職員の「負担軽減」が図られ、より「質の高い授業」に集中できるようになったという成果が得られています。
不動産業
不動産業界におけるLINE公式アカウントの活用は、顧客獲得と業務効率化において非常に大きな効果を発揮しています。
従来のメールや電話でのやり取りが中心だった不動産業界では、顧客からの問い合わせが伸び悩む傾向にありました。
しかし、LINEを導入することで、顧客とのコミュニケーションが劇的に変化したのです。顧客とのコミュニケーションには様々な機能を活用しましたが、電話での問い合わせ対応を「チャットボット」で自動化し、「業務負担軽減」を図ることで、担当者は対面での「商談」に集中できるなど、「費用対効果」の最大化に繋げることができます。
本章でご紹介した活用事例以外にもチャットボットを活用して実現できることは多岐に渡ります。
また、チャットボットを活用する上では、本記事でご紹介した魅や注意点の他にも運用方法や設定に関してお困りになることもあるかと思います。
もしお困りであれば、LINEトータルサポートサービスTeLASにてサポートさせていただきますので、是非参考にしてください!
LINEのチャットボットでパーソナルなコミュニケーションを実現しよう!
いかがでしたか?
チャットボットは、実は身近な存在であり、特にLINE公式アカウントのチャットボットは多くの生活者が利用している機能です。
この記事を読んで、LINE公式アカウントにおけるチャットボットの特徴やLINE公式アカウントでの利用方法のイメージを掴んでいただけたらうれしいです。
「導入を検討しているけど、どのツールを導入したらいいか分からない…」
「自社のアカウントではどんな活用ができるだろう?」
そんなときはぜひトーチライトにご相談ください!
トーチライトではLINE公式アカウントサポートサービス「TeLAS」を通して、企業課題に合わせた戦略設計から配信設定、検証分析までトータルサポートします。
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