事例で学ぶ!LINE ID連携の活用方法とは?
LINE ID連携はLINEのUser IDと顧客の会員情報を紐づけることができ、顧客のニーズを把握するためのデータ取得が可能です。
そこで今回は前回の内容を踏まえて、事例を用いたID連携の活用方法を解説します。
LINE公式アカウントでのデータ活用を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください!
LINE ID連携とは
LINE ID連携とは、LINE公式アカウントの友だちになっているユーザーのLINEアカウント情報と、企業が独自に持つ顧客の会員情報を紐付けることです。これにより、顧客一人ひとりに合わせた最適な情報提供が可能になります。
LINE公式アカウントを友だち追加している各ユーザーには、システム上で一意に識別するための「User ID」という固有の識別子が付与されています。
このUser IDは、LINEアカウントを検索する際に利用する「LINE ID」とは異なり、システム上で内部的に利用されるものです。企業はこのUser IDと自社の顧客データベースにある会員情報(例:性別、年齢、購買履歴など)を連携させることで、LINE上でのコミュニケーションをパーソナライズできます。
LINE ID連携は顧客とのOne to One コミュニケーションの実現に向けて重要な機能となるので、活用していきましょう!
初心者必見!LINEで顧客の心をつかむためには?
LINE ID連携をするメリット
LINE ID連携がどのような機能であるかご理解いただけたかと思いますので、本章ではLINE ID連携をするメリットをご紹介します。
顧客データの統合・管理が可能
ID連携によって、企業は顧客データを一元的に管理できるようになります。
これにより、オンラインとオフライン、そして複数のチャネルに分散していた顧客情報を統合し、顧客理解を深めることが可能です。顧客データの統合は、顧客とのコミュニケーションの最適化やサービス改善に貢献します。
また、LINE上で顧客と交わしたやり取りを、マーケティングチームから営業チームへ連携したり、カスタマーサポートチームへ顧客の状況や要望を共有したりすることで、顧客を起点としたスムーズなコミュニケーションを実現できるようになります。
LINE外のデータを活用したパーソナライズ配信が可能
ID連携を行うことで、LINE公式アカウントのデータと企業が独自に保有する顧客データを統合し、LINE外で取得した情報を活用したパーソナライズ配信が可能になります。
これにより、詳細な情報に基づいたセグメント配信を実現できます。
▼セグメント配信に活用できる情報の例
・顧客の会員ステータス
・商品の購入頻度
・店舗への来店回数
・ユーザーの誕生月
・過去に参加したキャンペーンの有無
・会員期間
このように顧客一人ひとりのニーズに合わせたメッセージやリッチメニューの出し分けが可能となり、より精度の高いOne to One コミュニケーションを構築できます。
LINE運用のROIを改善できる
ID連携を行うことで、Webサイトでの閲覧履歴や商品の購入履歴など、ユーザーの行動データをLINEでのメッセージ配信に活用できるようになります。
これにより、ユーザーの行動を起点とした、より反応率の高いセグメントに絞り込んだ配信が可能となり、ROI(費用対効果)の改善に繋がります。
※ROI:投資した費用に対してどれくらいの利益が得られたかを示す指標
例えば、ECサイトで商品をカートに入れたまま離脱したユーザーへリマインド配信を行うことで購入を促進したり、予約をしたユーザーに対して前日にリマインド配信を行うことで無断キャンセル率を改善したりすることが可能です。
結果として、顧客のニーズに合致したメッセージを配信できるため、クリック率や購入数の向上につながり、費用対効果の改善にも寄与します。
自動化による業務効率化の実現
ID連携を活用すると、顧客の行動を起点としたメッセージ配信など、売上向上に貢献しながら業務効率化を図ることが可能です。
例えば、ユーザー行動やニーズといったデータをステップ配信などの自動配信に活かすことで、配信業務の効率化やパーソナライズされたコミュニケーションが可能となります。
これにより、顧客満足度を維持・向上させつつ、配信業務の自動化を実現できます。
顧客体験を向上させるOMO施策の実施
OMOとは、オンラインとオフラインの垣根を取り払い、顧客体験を向上させるマーケティング手法です。
ID連携によって、実店舗での購買履歴や行動履歴などのオフラインデータと、LINEでのやり取りなどのオンラインデータを統合し、顧客一人ひとりに最適化されたアプローチが可能になります。
例えば、実店舗で商品を購入した顧客に対して、LINEで関連商品の情報やクーポンを配信したり、LINEのデジタル会員証を活用して来店回数に応じた特典を提供したりできます。
これにより、顧客は一貫したシームレスな体験を得られ、企業は顧客満足度の向上とエンゲージメントの強化を図ることが可能です。
自動ログイン機能の活用によるUXの向上
ID連携における自動ログイン機能は、ユーザーがWebサービスへスムーズにアクセスできるようサポートします。
メールアドレスやパスワードを毎回入力する手間を省き、LINEに登録済みの情報で簡単にログインできるため、ユーザーの負担を大幅に軽減できます。
この機能により、ログイン時のストレスが減り、サービスの利用頻度向上や継続的な利用につながり、結果としてUX(ユーザーエクスペリエンス)の向上に貢献します。
ブロック率の低下を期待できる
ID連携によって、顧客のニーズに合わせたセグメント配信が可能となります。
従来の画一的な一斉配信では、興味のない情報が届くことでブロックにつながるケースも少なくありませんでした。
しかし、ID連携で顧客の属性や行動履歴を把握し、最適なメッセージを届けることで、顧客体験が向上し、結果としてブロック率の低下が期待できます。
これにより、顧客との良好な関係を維持しやすくなります。
LINE上で自社サービスの提供が可能
ID連携により、企業が持つシステムとLINE公式アカウントを繋ぎ、LINE上で自社サービスを提供できるようになります。
顧客はWebサイトにアクセスしてログインすることなく、LINEアプリから必要な情報を受け取れるため、利用時の手間が省けて利便性が高まります。
これにより、顧客はよりスムーズにサービスを利用できるようになり、企業と顧客の双方にとってメリットをもたらします。
LINE ID連携を活用した事例
LINE ID連携を実施するメリットについてご理解いただけたかと思いますので、本章では実際にID連携を活用してセグメント配信を実施した事例をご紹介します。
1.属性データを生かしたセグメント配信
某スポーツメーカーは、ID連携を活用し、ユーザーの属性情報をもとにセグメント配信を行いました。
某スポーツメーカーは商品を豊富に取り揃えているため、以前の配信ではメンズやレディース、子供向け商品まで、商品情報を1度の配信にまとめて届けていました。しかし、男性のユーザーはメンズ商品、女性のユーザーはレディース商品に興味を持つように、ユーザーが求める商品はそれぞれ異なります。
この時、某スポーツメーカーのユーザーも「自分に合った商品の情報がほしい」というニーズが存在していましたが、現状のメッセージ配信方法ではニーズが異なり、通知が煩わしくなってしまう可能性があります。
そこで、ユーザーのニーズに合った配信をするための手法としてID連携を活用し、自社の会員登録情報からユーザーの性別や年齢などの詳細な属性情報を取得しました。そして、それらの属性情報を紐づけてLINE公式アカウントでセグメント配信を行いました。

「男性のユーザーにはメンズの商品情報」「10〜20代のユーザーには若者向けの商品情報」というように、ユーザーの属性情報をもとにした配信を行ったため、全配信と比べて開封率とクリック率を上げることができました。
ID連携を行ったことにより、某スポーツメーカーはユーザーに最適な情報を届けることができたのです。
2.LINE外のデータを生かしたセグメント配信
某化粧品メーカーは、「自分の好みや悩みに合った商品の情報がほしい」というユーザーのニーズに応えるためにID連携を行いました。
ID連携を行うと、企業の会員情報などLINE外のデータをLINE公式アカウントでのメッセージ配信に活用することができます。
某化粧品メーカーはID連携で取得したLINE外のデータである「購買履歴」を活用して、メッセージ配信を行いました。今まで某化粧品メーカーで商品を購入したことがあるユーザーに対して、過去に購入したものに近い商品のセール情報やキャンペーン情報を実際に配信したのです。

LINE外のデータを簡単にLINE公式アカウントでの配信に活用できるのは、ID連携ならではの魅力です。
3.ユーザー行動データを生かしたセグメント配信
某人材会社は、ユーザーへのリマインド配信にID連携を活用しました。
某人材会社は以前から、「面談の日程や準備物をリマインドしてほしい」という意見を顧客からもらっていました。そこで某人材会社が持つ面談の予約情報のデータとLINE ID連携を行い、面談日が近づいたユーザーにLINE公式アカウントで自動的にリマインド配信を行いました。

利用ユーザーが多いLINEで、面談日や準備事項のリマインド配信を行えばユーザーが見落とすことも少なくなりますし、「今日の面談をすっかり忘れていた!」というようなミスを防ぐこともできます。また、配信を自動送信にすることで、ひとりひとりのユーザーにメッセージを送る手間を省くこともできます。企業側の負担も少なくなるので、ユーザーと企業ともに有益な施策です。
LINE公式アカウントのセグメント配信とは?設定方法や活用事例を解説!
また、ID連携に限らず、どのような顧客データを活用すべきか迷うこともあるかと思います。
もしお困りの際には弊社の専門スタッフがサポートすることも可能ですので、お問い合わせください!
おわりに
いかがでしたか?LINE ID連携の仕組みは分かっていても、実際にどのように活用できるのかイメージすることは難しいですよね。
この記事を読んで、ID連携の活用方法を理解していただけたら嬉しいです。
今回は、ID連携によってユーザーのニーズを把握した配信を行い、より良質な顧客体験をユーザーに提供した事例をご紹介しました。それ以外にもID連携で実現できることはたくさんあります。
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