効果的なLINE公式アカウントの配信設計のコツ
LINE公式アカウントを開設したものの、「どんな配信をすればいいのか分からない…」とメッセージ配信に頭を抱える運用担当者はいませんか?
今回はそんな方に向けて、LINE公式アカウントを上手く運用するための配信設計の考え方についてお話しします。「誰に何のコンテンツをどのように送ったらよいか分からない…」「配信するたびにブロック率がどんどん上がってしまう…」など、配信に関するお悩みを抱えるすべての方にご覧いただきたい内容です。
ぜひ最後までご覧ください!
LINE公式アカウントでのメッセージ配信方法とは
メッセージ配信方法の種類
LINE公式アカウントのメッセージ配信には主に「一斉配信」と「絞り込み配信」の2種類があります。
一斉配信は、LINE公式アカウントに登録しているすべての友だちに、同じメッセージをまとめて配信する機能です。友だち全員に商品やサービスをアピールしたい場合に適しています。
一方、絞り込み配信は、友だちの推定属性(年齢・性別・居住地など)や行動履歴(過去のメッセージ閲覧状況など)を基に、特定のターゲット層に限定してメッセージを送信する機能です。
この絞り込み配信を利用するには、ターゲットリーチ数が100人以上必要となります。
※推定属性は友だち数や利用期間などから算出され、全ユーザーに必ず付与されるわけではありません。
また、購買履歴やより詳細な行動データを活用する場合は、外部のCRMやECシステムとAPI連携が必要であり、LINE単体では任意の購買履歴を取得できないため、注意が必要です。
このように絞り込み配信を活用することで、興味関心の高い友だちへ効率的にアプローチでき、高い反応率が期待できます。
※LINE公式アカウントでは絞り込み配信含め一斉配信したメッセージは削除できないため注意が必要です
LINE公式アカウントのセグメント配信とは?設定方法や活用事例を解説!
メッセージの送信方法
LINE公式アカウントでは、友だちの興味を引きつけ、効果的な情報伝達を可能にするために、様々な形式のメッセージを送信できます。
主に「テキストメッセージ」、「スタンプ」、「画像」、「動画」、「ボイスメッセージ」といった基本的な形式に加え、以下のような特別な形式があります。
クーポン
ユーザーへの特典として提供できるデジタルクーポンで、来店促進や購入意欲の向上に繋がります。
LINE公式アカウントの管理画面から簡単に作成・配信でき、あいさつメッセージやリッチメニューへの設定、メッセージ配信に添付するなど多様な方法で配布が可能です。
LINE公式アカウントのクーポン機能とは?|使い方や効果的な活用方法もご紹介!
リッチメッセージ
画像とテキストを一体化させたビジュアル性の高いメッセージです。
視覚的なインパクトが大きく、複数のリンクを設定できるため、ウェブサイトや商品ページへの誘導効果を高められます。

LINE公式アカウント リッチメッセージとは?作り方からサイズ、配信方法、活用例まで解説
リッチビデオメッセージ
トーク画面で自動再生される動画メッセージで、再生終了後に特定のアクションを促すボタンを設定できます。
縦型・横型・正方形など様々な動画サイズに対応し、特に縦型動画はトーク画面を大きく使って商品やサービスを魅力的に伝えられます。
カードタイプメッセージ
「画像」「説明」「リンク」をセットにしたカードを複数枚横にカードタイプでスライド表示できるカルーセル方式の送信方法です。
最大9枚のカードを1つのメッセージとして送信できるため、多くの商品やサービスを効率的に紹介できます。

本章でご紹介したメッセージ形式は、一度の配信で最大3つの吹き出しを組み合わせて送信できるため、テキストと画像、動画とクーポンなど、複数の情報を効果的に伝えることが可能です。
メッセージ配信費用
メッセージ配信にかかる費用は、利用しているLINE公式アカウントの料金プランによって異なります。
無料プランでは月に送信できるメッセージ数に上限があり、有料プランではその上限が増える仕組みです。料金プランは月単位で変更できるため、配信メッセージ数を確認しながら運用することも可能です。
※予算に合わせて配信メッセージ数を指定することも可能です
効果的なメッセージ配信のためには、これらの方法や種類を理解し、友だちのニーズに合わせたコンテンツを適切なタイミングで送信することが重要になります。
LINE公式アカウントの料金プランとは?無料から有料まで、違いを解説!
メッセージ配信設計のコツ
①配信日時を固定してメッセージ効果を向上
LINE公式アカウントのメッセージ配信においてもっとも大事なのは、メッセージが配信される日時を固定することです。
なぜなら配信メッセージの効果検証を行う際に、配信された曜日や時間帯、コンテンツの内容、バナーなどのクリエイティブなど要素に分解する必要があるからです。
しかし、配信日時が月や週でバラバラだと、開封されやすい曜日や時間帯の傾向が掴めず、配信されたメッセージの効果(開封率やクリック率など)を正確に比較することが難しくなります。そこで、コントロール可能な配信日時を固定することで、効果分析の効率を高めます。
また、配信日時を固定しておくことで、配信コンテンツの制作スケジュールやテスト配信のスケジュールも固定できるため、運用がスムーズになります。配信漏れやテキストエラーなどの配信事故を防ぐことにも繋がるため、メッセージの配信日時は固定しましょう。
※配信したい時間帯に配信できない場合はメッセージの配信日時を予約することも可能です
②友だちの生活リズムに最適な時間にメッセージを送る方法
配信する時間帯は、友だちの生活リズムに合わせることが成功の鍵となります。
例えば、通勤時間や就寝前のひとときなど、ユーザーが最もアクティブな時間を考慮することが重要です。
このように、理想的な配信タイミングを見極め、コンテンツを届けることで、開封率や反応率が向上する可能性があります。
アカウントの運用方針や扱う商材によって決め方はさまざまですが、配信日時を決定するうえでヒントとなる方法をいくつかをご紹介します。
公開されているスマートフォンの利用実態についての調査結果を参考にする
スマートフォンの利用時間帯やインターネットの利用時間帯は、調査会社から多くの調査結果が公表されています。
朝6〜7時台、夕方17〜18時台、夜21時台が利用時間として多い傾向にあるようです。
さらに細かく年代別に出ている調査結果もあるため、まずは調べてみるとよいでしょう。
競合製品・サービスの公式アカウントの配信日時を参考にする
競合アカウントが何曜日の何時に配信しているのかを必ず調査しましょう。
競合アカウントも同じように、色々考えた上で配信日時を設定しています。独自のマーケティングデータを活用して配信日時を設定しているかもしれません。
そこでまずは、競合アカウントと同じ日時に配信して効果を見ることもひとつの手です。
アカウント内でアンケートを実施して決める
ある程度友だちが集まったらアンケートを実施して、希望する配信日時や、スマートフォンおよびLINEを利用する時間帯についてユーザーの声を聞く方法もあります。
すでに友だちになっているユーザーの意見なので、ターゲットの属性を踏まえた配信効果の高い時間帯を取得できる可能性が高くなります。
この手法で配信日時を決定すれば、今後友だちになるユーザーにも効果的です。
あえて配信日時をずらす
多くのLINE公式アカウントがメッセージ配信を行うということは、それだけメッセージが埋もれやすくなります。
同時刻に複数アカウントからメッセージが届くと、埋もれてしまって大事なメッセージに気が付かなかった、という経験が皆さんにもあるのではないでしょうか。
そこでトークリストの1番上に来るように、数分後ろ倒しで配信する方法や競合アカウントと時間帯を大きくずらす方法があります。
上述した方法であまり効果が得られなかった場合に試してみるのも良いかもしれません。
③週1回のメッセージ配信で友だちとのコミュニケーションを始めよう
LINE公式アカウントの運用を始める際は、まず週1回のメッセージ配信からスタートするのがおすすめです。
LINEはアプリを開いていなくても通知が届くPUSH型のメディアであるため、情報に気づいてもらいやすい一方、ユーザーにとって不要な通知が続くと、通知オフやブロックにつながる可能性があります。
特にアカウント開設直後は、どのようなコンテンツが好まれるのか判断が難しく、配信頻度が多いほど「合わない内容」が届くリスクも増えます。その結果、ブロック率が高くなるケースも少なくありません。
そのため、まずは配信を週1回に抑え、ユーザーがどの情報に反応しているのかを丁寧に見極める必要があります。
反応の良いテーマや配信タイミングが掴めてきた段階で、少しずつ配信頻度を調整していくと、ユーザーに負担をかけずにアカウントの存在感も自然に浸透させることができます。
このように無理に配信数を増やすよりも、最適な頻度を探ることが、結果的にブロック率を抑え、継続的に読まれるアカウント運用につながります。
④運用戦略に応じた最適なあいさつメッセージの設定方法
あいさつメッセージとは、LINE公式アカウントを友だち追加した際に自動的に送信される1通目のメッセージです。
テキストやスタンプ、リッチメッセージなどを自由に組み合わせることができます。販促を目的にしているアカウントでは初回クーポンの配布を行うこともあり、LINE公式アカウントの運用戦略に沿ったものをきちんと設定することで、次回の配信以降もメッセージを読んでもらう可能性を高められます。

あいさつメッセージは以下の事項に注意が必要です。
友だちになるメリットを伝える
ユーザーは、いろいろな動機で友だち登録しますが、すべての友だちが配信メッセージを読んでくれるわけではありません。そこで、「友だち登録をするとどんな良いことがあるのか」をきちんと初回のあいさつメッセージで伝える必要があります。
簡潔で読みやすいあいさつメッセージを心掛ける
あいさつメッセージは自由に設定できるため、長くなる傾向があります。
しかし、友だちがメッセージのすべてを読んでくれるわけではないため、「スマートフォンの画面の1ページ以内に収めること」と「アカウントを印象付ける写真やバナーはできるだけ前半に持ってくること」を意識しましょう。
最初のメッセージは新しく追加された友だちからの関心が高く、多くの友だちに読まれる可能性が高いため、アカウントを強く印象付けることができます。魅力的なあいさつメッセージが送信されることで、新規友だちの興味を引き、継続的な関係構築が期待できます。
⑤友だちのニーズを満たすクリエイティブでコンテンツを配信しよう
先ほどもご紹介したようにLINE公式アカウントでは、すべての友だちに同じコンテンツを配信する一斉配信と、特定の条件や属性の友だちにだけ配信するセグメント配信をすることができます。
例えば、健康食品のLINE公式アカウントを運用しているとしましょう。友だちのなかでも男性はボディメイクに、女性はダイエットに強い興味関心があった時、全配信よりも、セグメント配信を行った方がより効果的です。
【配信例】
・男性:タンパク質の吸収を助ける効果を訴求し、ボディメイクに関するメッセージ
・女性:糖質や脂肪吸収を抑える効果を訴求し、ダイエット効果に関するメッセージ
このようにターゲットに応じて訴求効果を出し分けることで開封率やクリック率の上昇が期待できます。

また、ただ単に内容を変えるのではなく、セグメントの特性に応じてテキストのフォントやカラーなど、配信で使用するバナーのクリエイティブを変えることも重要です。
【クリエイティブ採用例】
・男性:太いフォントや黒を基調とした強い男性像を意識させるようなバナー
・女性:細いフォントや明るい色を基調としたスリムな体型を印象付けるバナー
このようにセグメントの特性に応じてクリエイティブを使い分けることで、訴求内容をより強く印象付けることができます。
視覚的に魅力を引き立てるために、クリエイティブなデザインやキャッチーな文言を設定することも重要です。これにより、コンテンツの効果がさらに高まります。

おわりに
いかがでしたか?
LINE公式アカウントの効果的な配信設計は、ユーザーに対して魅力的なコンテンツを届け、リーチやエンゲージメントを向上させるために不可欠な要素です。
しかし、戦略を立てずに配信を続けるとブロック率が高くなり、その後のリカバリーが難しくなってしまいます。そうならないためにも、今回解説した5つのポイントを意識して配信しましょう。
トーチライトでは、運用の初期段階をはじめ、LINE公式アカウントコンサルティングサービス「TeLAS」を通して、企業課題に合わせた戦略設計から配信設定、検証分析までトータルサポートします。
また、API対応ツールであるメッセージ管理ソリューション「DialogOne」のご提供も可能です。
ぜひお気軽にお問い合わせください!


