LINE公式アカウント リッチメッセージとは?作り方からサイズ、配信方法、活用例まで解説

LINE公式アカウントの運用において、ユーザーに情報を効果的に届けるための機能が「リッチメッセージ」です。
この記事では、LINEのリッチメッセージとは何かという基本から、具体的な作り方、推奨される画像のサイズ、配信方法、そして実際の活用例まで、運用担当者が知りたい情報を網羅的に解説します。
これからLINEのリッチメッセージの活用を始める方は、ぜひ参考にしてください。
TOPICS
LINEリッチメッセージの基本概要
リッチメッセージとは
リッチメッセージとは、画像にテキストやリンクを組み合わせて、トーク画面いっぱいに大きく表示できるメッセージ形式です。
メリット
・トーク画面いっぱいに画像を表示できるため、視覚的なインパクトが強い
・テキストのみのメッセージと比較してユーザーの目を引きやすく、商品やキャンペーンの魅力を直感的に伝えられる
・基本的な機能は無料で利用可能であり、特別な料金は発生しない
・活用の仕方次第で、さまざまな種類のアプローチが可能になる
特長
1.テキストより視覚的に情報を伝えられる
リッチメッセージの最大のメリットは、テキストだけでは伝えきれない情報を視覚的に訴求できる点です。
トーク画面に大きな画像や写真が表示されるため、ユーザーの目に留まりやすく、商品やサービスの魅力を直感的に伝えることが可能です。
【例】
・新商品の紹介:洗練された商品写真を使用
・セールの告知:割引率や期間を大きくデザインした画像を用いる
あらかじめデザインされた素材を用意することで、ブランドイメージを統一しつつ、テキストだけでは表現しにくい雰囲気や世界観を効果的に演出できます。
2.高いクリック率でサイトや商品ページへ誘導できる
リッチメッセージは、画像全体をタップ領域として設定し、指定したURLへユーザーを誘導する機能を持っています。
テキストメッセージ内に記載されたURLと比較して、タップできる範囲が広く視覚的にも分かりやすいため、通常のテキストリンクよりもクリック率が高いことが多いです。
多くのユーザーはメッセージを開封するものの、その後の行動に移ることは少ないですが、リッチメッセージを用いることで、WebサイトやECサイトの商品ページ、キャンペーン詳細ページなどへの遷移を効果的に促せます。
これにより、LINE公式アカウントの友だちに対して、ただ情報を届けるだけでなく、次のアクションへと繋げる重要な役割を果たします。
リッチメニューとの違い
リッチメッセージと混同されやすい機能に「リッチメニュー」があります。
リッチメニューは、トーク画面の下部に常時表示され、ユーザーがいつでもタップできます。
【使用シーン】利用頻度の高い情報への入り口
・公式サイトへのリンク
・よくある質問
・会員証の表示など
一方、リッチメッセージは、通常のメッセージと同様に配信され、トーク履歴として画面をスクロールすると流れていきます。
【使用シーン】リアルタイム性の高い情報発信
・新商品告知
・セールのお知らせ
・期間限定キャンペーンの周知
リッチビデオメッセージとの違い
リッチメッセージが静止画を用いるのに対し、「リッチビデオメッセージ」は動画を自動再生で配信できる機能です。動画が再生されることで、より多くの情報を動的に伝えられ、ユーザーの注目を集めやすい特徴があります。
また、横にスワイプして複数の情報を閲覧できる「カードタイプメッセージ」も存在します。
これは、複数の商品やサービスを並べて紹介したい場合に有効な形式で、カルーセル形式とも呼ばれます。
・リッチメッセージ:1枚の画像でシンプルに情報を伝えたい場合
・リッチビデオメッセージ・動きで魅力を伝えたい場合
・カードタイプメッセージ:複数の選択肢を提示したい場合
上記のように目的に応じて使い分けることが重要です。
LINEリッチメッセージの作り方を4ステップで解説
LINEリッチメッセージの作成は、LINE公式アカウントの管理画面から簡単に行えます。
特別なアプリや専門知識は不要で、画面の指示に従うだけで設定が完了します。
このセクションでは、画像の準備からアクションの設定、保存まで、リッチメッセージの具体的な作成方法を4つのステップに分けて解説します。
テンプレートの選択やカスタマイズによって、配信内容に合わせた柔軟な編集が可能です。
初めての方でもスムーズに作成できるよう、手順を一つずつ確認していきましょう。
ステップ1:推奨される画像サイズを準備する
最初に、リッチメッセージとして配信する画像を準備します。
・推奨される画像の大きさ:正方形テンプレートの場合、幅1040px×高さ1040px
・上記サイズを基本として、選択するテンプレートによっては縦長や横長の画像も設定できるが、画像の高さは520pxから2080pxの範囲内で調整する必要あり
・ファイル形式:JPG、JPEG、PNG
・ファイルサイズ:10MB以下
ユーザーのスマートフォンで鮮明に表示されるよう、推奨サイズに合わせた高画質な画像を用意することが、リッチメッセージの効果を高める第一歩となります。
ステップ2:テンプレートを選択して画像をアップロードする
次に、LINE公式アカウントの管理画面でリッチメッセージの作成画面を開き、テンプレートを選択します。
テンプレートは、画像をどのように分割してリンクを設定するかを決めるレイアウトの設計図です。
画像を分割しないシンプルなものから、正方形を複数に分割するもの、縦長や横長のレイアウトなど、様々な種類が用意されています。
伝えたい情報や誘導したいリンクの数に合わせて最適なテンプレートを選択し、ステップ1で準備した画像をアップロードします。
選択したレイアウトに合わせて画像が自動的に適用され、プレビューで表示を確認できます。
ステップ3:タップ領域ごとにリンクなどのアクションを設定する
画像のアップロード後、テンプレートで分割された領域ごとにアクションを設定します。アクションとは、ユーザーが画像をタップした際に実行される動作のことです。
【設定できるアクション例】
・指定したURLへ遷移させる「リンク」
・事前に作成したクーポンを表示する「クーポン」
・特定のテキストをユーザーに送信させる「テキスト」
また、目の不自由なユーザーのために、タップ領域の内容を音声で読み上げる「アクションラベル」の設定も推奨されており、アクセシビリティへの配慮も可能です。
ステップ4:アイテム名を入力して保存する
最後に、作成したリッチメッセージのアイテム名を入力します。
このタイトルは、プッシュ通知やトークリストに表示で表示されるため、ユーザーに分かりやすいものに設定するとよいでしょう。
タイトルを入力し、すべての設定内容に問題がないことを確認したら、保存ボタンをクリックします。これでリッチメッセージの作成は完了となり、いつでもメッセージ配信で利用できる状態になります。
作成したリッチメッセージを配信する手順
作成したリッチメッセージは、通常のメッセージ配信と同様の手順で友だちに届けることができます。
メッセージ作成画面で「リッチメッセージ」を選択し、保存済みのリストから配信したいものを指定します。
配信予約やセグメント配信も可能で、配信回数はプランに応じたメッセージ通数としてカウントされます。
また、通常の投稿だけでなく、ユーザーが友だち追加した際に自動で送られる「あいさつメッセージ」や、キーワードに反応する「応答メッセージ」にも設定可能です。
これにより、チャットでのコミュニケーションの中でもリッチメッセージを活用し、自動でユーザーを案内するといった使い方ができます。
【事例紹介】リッチメッセージの効果的な活用アイデア5選
リッチメッセージは、画像を配信するだけでなく、工夫次第でさまざまな目的を達成できる強力なマーケティングツールです。
ここでは、実際の企業アカウントで使われている効果的な活用アイデアを5つ紹介します。
ECサイトへの誘導強化からキャンペーン告知、ユーザーとの双方向コミュニケーションまで、多様な事例を参考にすることで、自社のアカウント運用に活かせるヒントが見つかります。
アンケートへの誘導など、目的に合わせたクリエイティブの作り方を学ぶことで、より成果の出る施策を展開できるようになります。
1.WebサイトやECサイトへの誘導を強化する
【代表的な活用法】
自社のWebサイトやECサイトへの誘導
【活用事例】
・新着コレクションのイメージ写真を配信し、タップすると特集ページに遷移する
・コラムやブログの更新情報を知らせる
【メリット】
・テキストでURLを記載するよりも、魅力的なビジュアルでユーザーの興味を引きつける
・直感的なタップ操作でサイトへ案内できるため、高いクリック率が期待できる
・LINEから自社メディアへの安定した流入経路を確立できる
2.1枚の画像でキャンペーン情報を魅力的に告知する
【代表的な活用法】
セールや期間限定のキャンペーン情報を告知
【活用事例】
・キャンペーンの開催期間、割引率、特典内容、対象商品といった複数の情報を1枚の画像にデザインとして落とし込む
・画像にキャンペーン詳細ページへのリンクを設定し、スムーズな誘導が実現できる
【メリット】
・テキストで長々と説明するよりも情報が整理され、記憶に残りやすくなる
・ユーザーは一目でキャンペーンの全体像を把握できる
3.限定クーポンを配布して来店や購入を促進する
【代表的な活用法】
来店や購入を促す施策
【活用事例】
・リッチメッセージのアクションに「クーポン」を設定し、特典内容が魅力的に伝わる画像を配信する
・「この画面をタップしてクーポンGET!」といった文言を画像内に入れる
【メリット】
・ユーザーの利用率を高められる
・ユーザーの行動をより具体的に促すことができる
・実店舗で利用できるクーポンであれば来店促進に、ECサイトで使えるクーポンであればオンラインでの購入促進に直接的に繋がり、売上向上に貢献する
4.診断コンテンツでユーザーとの接点を作る
【代表的な活用法】
ユーザーに楽しんでもらいながら自社の商品やサービスへの理解を深めてもらう
【活用事例】
・「あなたにぴったりの香りを見つけよう」といったキャッチコピーと共に香水のイメージ画像をリッチメッセージで配信し、タップすると診断コンテンツのページに遷移させる
※外部の診断ページに誘導する形で活用可能です。
【メリット】
・ユーザーはゲーム感覚で参加でき、企業側は診断結果に基づいて最適な商品を提案できる
・一方的な情報発信ではなく、ユーザーとの双方向のコミュニケーションを生み出し、エンゲージメントを高める効果が期待できる
5.複数のリンクを設置してユーザーを適切に案内する
【代表的な活用法】
テンプレート機能を使って、1枚の画像を複数の領域に分割し、それぞれに異なるリンクを設定
【活用事例】
・ECサイトの告知で「メンズ」「レディース」「キッズ」のようにカテゴリごとにタップ領域を分けたり、新商品の紹介で「商品の詳細を見る」「オンラインストアで購入する」「取り扱い店舗を探す」といった複数の選択肢を提示したりできる
【メリット】
・ユーザーをニーズに合わせて適切に案内することが可能になる
・ユーザーは興味のある情報へ直接アクセスでき、利便性が向上する
リッチメッセージの反応率を高める3つのコツ
リッチメッセージは作成して配信するだけでなく、いくつかのコツを押さえることで、ユーザーからの反応率をさらに高めることが可能です。
ただ情報を伝えるだけではなく、ユーザーが思わずタップしたくなるような工夫が求められます。
ここでは、デザインのシンプルさ、タップ領域の分かりやすさ、そしてテキストメッセージとの連携という3つの観点から、リッチメッセージの効果を最大化するための具体的なポイントを解説します。
これらのコツを実践することで、クリック率やコンバージョン率の改善が期待できます。
1.伝えたい情報を絞り込みシンプルにデザインする
リッチメッセージで最も重要なのは、「伝えたい情報を一つに絞り込むこと」です。
一枚の画像に多くの情報を詰め込みすぎると、メッセージの要点がぼやけてしまい、ユーザーは何をすべきか判断できなくなります。
例えば、セールの告知であれば「50%OFF」という最も伝えたい情報を大きく配置し、他の要素は補助的に扱うなど、情報の優先順位を明確にしたデザインを心がけます。
余白を効果的に使い、視覚的にすっきりとしたレイアウトにすることで、メッセージが瞬時に伝わり、ユーザーの次のアクションを引き出しやすくなります。
2.タップできる場所が直感的にわかるように工夫する
リッチメッセージは画像全体がタップ可能ですが、ユーザーがそのことに気づかなければクリックには繋がりません。
そのため、どこをタップすれば良いのかが一目で分かるようなデザイン上の工夫が不可欠です。
「詳しくはこちら」や「クーポンをGET」といった文言を入れたボタン風のデザインを配置したり、画像の分割テンプレートを使用する際は各領域が明確に区別できるようにしたりすることで、ユーザーは迷わずタップできます。
ユーザーに「これは押せる」と直感的に認識させることが、クリック率を向上させるための重要なポイントです。
3.テキストメッセージと組み合わせて補足情報を伝える
リッチメッセージの画像内には、多くの文字数を入れるべきではありません。
画像のデザイン性を損なわず、メッセージをシンプルに保つために、詳細な情報や補足説明はリッチメッセージと同時に配信するテキストメッセージで伝えるのが効果的です。
例えば、リッチメッセージでキャンペーンのメインビジュアルを送り、その直後に配信するテキストでキャンペーンの応募条件や期間、注意事項などを記載します。
画像とテキストで役割を分担させることで、ユーザーは情報を整理しやすくなり、メッセージ全体の理解度が高まります。
まとめ
リッチメッセージは、LINE公式アカウントにおいて視覚的な訴求力と高いクリック率を実現する強力な機能です。
テキストだけでは伝えきれない商品やサービスの魅力を直感的に届け、Webサイトへの誘導や購買促進に繋げられます。
作成手順はシンプルで、テンプレートを活用すれば誰でも簡単に設定可能です。ただし、配信後にメッセージを削除してもユーザーのトーク画面からは消えない点や、通信環境によって画像が表示されない場合がある点には注意が必要です。
より高度な運用を検討している企業は、MessagingAPIを利用することで実現できるダイナミックなリッチメッセージの生成も選択肢に入れましょう。
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