LINE公式アカウントの運用を成功させるには?基本の活用方法や活用事例を紹介
企業のマーケティング施策のひとつとして活用されているLINE公式アカウント。これからアカウントの開設を考えている方も多いのではないでしょうか?
LINEは、国内月間ユーザー数9,900万人(2025年6月末時点)を超え、幅広い世代に浸透しています*1。さらにLINEは、多彩な機能を備えており、顧客との関係構築から購入促進まで一貫したマーケティングを実現することができます。
そこで今回は、LINE公式アカウントを開設するメリットから運用を成功させるコツまで、これから運用を始める方や運用初心者にぴったりな活用方法をご紹介します!
TOPICS
LINE公式アカウントとは
そもそもLINE公式アカウントとは、企業や店舗がLINEユーザーとコミュニケーションを図るためのビジネス向けサービスであり、他のSNSと比較してもOne to Oneコミュニケーションが実現できるところが大きな魅力となります。
他にも個人で利用するLINEアプリとは異なり、情報発信や集客、販促活動に特化した様々な機能が備わっています。
例えば、友だち登録したユーザーへ一斉にメッセージを送ったり、クーポンを配信したりすることができます。これは従来のメールマガジンと似ていますが、LINEは日常的に利用されるアプリであるため、メッセージがユーザーに届きやすく、開封率が高いという特長があります。
またLINEには、アカウントごとに友だちに割り振られた識別子(ユーザーID)があり、それに紐づけてデータを収集することが可能であり、紐づけたデータを様々な機能に活用することができます。
例えば、ユーザーの推定属性(年齢・性別・居住地など)や行動履歴(過去のメッセージ閲覧状況など)に基づき、各ユーザーに適したメッセージを配信する「セグメント配信」も利用でき、特定のユーザー層に限定した効果的な情報発信が実現します。
※推定属性は友だち数や利用期間などから算出され、全ユーザーに必ず付与されるわけではありません
※詳細なセグメント配信を行う場合は、別途APIツールの導入が必要です
さらに、リッチメニューを設定することで、トーク画面から特定のウェブサイトや予約ページへ誘導するなど、販促ツールとしても活用できます。このように、認知集客〜リピート化(ファン化)まで、フルファネルで使えるサービスが豊富に揃っているため収集したデータを最大限に活用できます。
これらの様々な機能を活用することによって一人一人のユーザーに合わせて配信を行うことができ、ユーザーと密接なコミュニケーションを取ることで信頼関係が生まれます。
LINE公式アカウントでできること一覧|機能・料金・メリットを解説
LINE公式アカウントの機能
ここでは、LINE公式アカウントの主な機能の概要説明やおすすめの活用法を一覧でご紹介します。
基本機能からオプション機能、そしてMessaging APIを活用した拡張機能まで、それぞれの特徴と活用シーンを理解し、自社の運用に役立ててみてください。

LINE公式アカウントで使うべき機能3選
LINE(ライン)公式アカウントで使える便利機能一覧!今日から実践できる裏技まで紹介!
アカウントの開設に必要なこととは?
LINE公式アカウントの特徴や機能についてご理解いただけたのではないでしょうか?
本章ではLINE公式アカウントを開設する手順についてご説明します。
LINE公式アカウントの開設は比較的簡単に行うことができ、以下3つの手順に沿って開設することができます。
1.LINEビジネスIDの登録
まず、LINEヤフー for Businessのウェブサイトにアクセスし、「LINE公式アカウントを開設(無料)」を選択します。
開設にはLINEビジネスIDが必要となりますが、これはLINEが提供するビジネス向けサービスの共通認証システムです。
LINEビジネスIDは、普段お使いの個人のLINEアカウント、またはメールアドレスを登録することで取得できます。どちらの方法で登録してもLINE公式アカウントの機能は同じように利用できます。
2.アカウント作成
LINEビジネスIDの登録が完了したら、アカウント名、大業種、小業種などの必要事項を入力します。
入力内容を確認し、問題がなければ完了ボタンを押してアカウント作成が完了します。パソコンからでもスマートフォンからでも開設手続きは可能です。
スマートフォンアプリを利用する場合は、アプリストアから「LINE公式アカウント」アプリをダウンロードして進めることもできます。
※2025年6月25日(水)より、ビジネスマネージャー組織との接続が必須となりました。組織がない場合はビジネスマネージャーの組織を作成、組織がすでにある場合は既存の組織を選択してください
3.認証済アカウントの申請
アカウント作成フォームでは、企業や店舗で利用する場合に認証済アカウントを申請することも可能です。
認証済アカウントと未認証アカウントの違いについては次の章で詳しく説明しますが、認証済アカウントになると、アカウント名の横に青いバッジが表示され、一部利用できる機能が追加されます。申請はアカウント作成完了画面、または後日管理画面から行えます。
アカウント作成が完了し、管理画面にログインできたら、さっそくプロフィール設定やあいさつメッセージの設定など、初期設定を行い、運用準備を進めていきましょう。
アカウント開設を検討されている方に向けて
本章でご説明したようにLINE公式アカウントは簡単に開設することができますが、十分な準備をせずに運用を始めてしまうと、様々な悩みや課題が出てくるかと思います。
運用を始めるにあたり、まずは、アカウントを開設する前に運用する目的をしっかりと考えてみることが大切になります。この取り組みがその後のLINE公式アカウントの運用を成功させる秘訣と言えるでしょう!
LINE公式アカウントの種類
LINE公式アカウントには主に「認証済アカウント」と「未認証アカウント」の2種類があります。
本章では、認証済アカウントにすることでどのようなメリットがあるのか、またその違いについてご説明いたします。
認証済アカウント
認証済アカウントは前章でもお伝えしたようにLINEヤフー社の審査を通過したアカウントで、アカウント名の横に青いバッジが付与されます。
※審査には通常5~10営業日程度かかります。
この認証済アカウントの最大のメリットは、LINEアプリ内での検索結果に表示されるようになるため、ユーザーがアカウントを見つけやすくなり、集客効果が期待できる点です。
また、有料プランの料金支払いにクレジットカードに加え、請求書決済(Paid経由)が利用できるようになります。
さらに、友だち追加を促進するための「友だち追加広告」の利用や、リサーチ機能で自由回答形式のアンケートが作成できるようになるなど、機能面でも優位性があります。LINEキャラクター入りの販促用ポスターデータを無料でダウンロードできるほか、有料のノベルティも購入可能です。
主に店舗や法人といったビジネスでの利用を対象としていますが、個人事業主でも業種によっては認証される場合があります。
未認証アカウント
未認証アカウントは認証済アカウントとちがい、審査を受けていないアカウントで、個人・法人問わず誰でも開設が可能です。
認証済アカウントとは異なり、アカウント名の横には灰色のバッジが表示されます。
未認証アカウントはLINEアプリ内の検索結果には表示されないため、ユーザーに知ってもらうためには、QRコードやLINE IDを直接伝える、WebサイトやSNSで告知するといった別の方法で誘導する必要があります。
機能面では認証済アカウントと比べて一部制限がありますが、LINE公式アカウントの基本的な機能は利用できます。
まずは気軽にLINE公式アカウントを始めたい場合や、特定の友だちとのクローズドなやり取りを目的とする場合に適しています。
未認証アカウントから認証済アカウントへの切り替えは、管理画面から申請することで可能です。
LINE公式アカウントの料金プラン
LINE公式アカウントには、利用状況に応じて選択できる3つの料金プランがあります。
無料で利用できる「コミュニケーションプラン」、月額5,000円(税別)の「ライトプラン」、月額15,000円(税別)の「スタンダードプラン」です。

これらのプランの主な違いは、この後ご紹介しますが、1ヶ月に無料で送信できるメッセージの通数にあります。
また、機能自体に大きな差はなく、どのプランでもLINE公式アカウントの基本的な機能を利用できます。
LINE公式アカウントの料金プランとは?無料から有料まで、違いを解説!
プラン変更について
料金プランは、友だちの数やメッセージの配信頻度に合わせて柔軟に変更することができます。
例えば、友だちが50人で月に5回以上メッセージを送りたい場合は、コミュニケーションプランの月間200通の上限を超えるため、ライトプラン以上の検討が必要となります。
このメッセージ通数は、「メッセージを送った回数 × 送信された友だちの数」で計算されます。
なお、LINE公式アカウントには、アカウント開設時に自動で付与されるランダムな英数字の「ベーシックID」とは別に、任意の文字列を設定できる有料の「プレミアムID」(年額税込1,320円または月額税込110円、購入経路により異なる)があります。
また、チャット機能の強化を目的とした「チャットProオプション」も有料オプションとして提供されています。
LINE公式アカウント運用を成功させるコツ
皆さんはLINE公式アカウント運用に必要な考え方をご存じですか?
LINE公式アカウントを開設したものの上手く運用できていない方も多いのではないでしょうか。
そんな皆様に向けて本章では、LINE公式アカウント運用を成功させるコツを3点ご紹介させていただきます。
1.あいさつメッセージの活用
1つ目は友だち追加された際に自動送信されるあいさつメッセージの活用です。
あいさつメッセージは友だち追加直後のユーザーの関心が高いタイミングで届けられるため開封率が高く、アカウントの紹介やお得な情報、クーポンなどを盛り込むことで、ユーザーにアカウントの価値を伝え、ブロック率の低下やその後のアクションを促すことができます。
また、あいさつメッセージはメッセージ通数としてカウントされないため、無料で効果的に活用できます。

2.視覚的な情報の積極的な活用
2つ目はリッチメッセージやLINE VOOM(旧タイムライン)などの視覚的な情報の積極的な活用です。
メッセージを送る際に画像や動画、リッチメッセージ、カードタイプメッセージなどを利用することで、テキストだけでは伝えきれない情報を効果的に伝えることができます。

また、LINE VOOMは画像や動画などを活用して魅力的なコンテンツを共有できるため、情報発信に優れた機能となります。
LINE VOOMを使うことで、企業はLINE公式アカウントから画像や動画、テキストなどを投稿し、魅力的なコンテンツを共有することで情報発信ができます。
さらに、イベントやセミナーなどの告知や様子を発信することで新規顧客の獲得にも役立てることができます。
※LINE VOOMへの投稿は、メッセージ配信数にカウントされないため、無料で活用できます。
3.ブロック率を減らす対策
3つ目は友だちからのブロック率を減らす対策です。
定期的なクーポン配布やショップカード機能の提供は、ユーザーに「友だちになっていて良かった」と感じてもらい、ブロック防止に繋げることができます。
配信頻度もブロック率に影響するため、ユーザーにとって多すぎると感じられない適切な頻度を見つけることが大切です。調査によると、週1回程度の配信が適切だと感じるユーザーが多い、とのことです。
本章でご紹介した様々な考え方やコツを活かしてLINE公式アカウント活用を成功させましょう!
LINEの友だちを増やし続けるための施策とは?
いざLINE公式アカウントを開設し、運用を開始したあとに陥りやすい悩みとしては、「友だちが増えない」ではないでしょうか。
LINE公式アカウントを運用する上で、最も重要な存在となるのが「友だち」です。
LINE公式アカウントを使ってマーケティング活動を行う最大の目的は、ターゲットとなる顧客と直接的にコミュニケーションを取ることです。
しかし、友だち数が少ないと、そのメッセージが届く範囲も限られてしまいます。LINEの強みは、ユーザーが普段から頻繁にチェックしているアプリを通じて、リアルタイムで情報を届けられる点にありますが、肝心の「友だち」がいなければ、その効果を十分に活かせません。
LINE公式アカウントでは、ある程度友だちを獲得できても、メッセージ配信を行う度に、どうしても一定数のブロックが発生してしまいます。そのため、定期的に友だちを増やす施策を行い、各ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し、より多くの顧客と良好な関係を築いていきましょう!
LINE公式アカウントの活用事例
LINE公式アカウントは、様々な業種で顧客とのコミュニケーションや業務効率化に活用されています。ここでは、いくつかの具体的な活用事例をご紹介します。
LINE公式アカウントの業界別活用事例や方法を徹底解説
1.LINE外のデータを生かしたセグメント配信
化粧品メーカA社は、ID連携で得られた「購買履歴」データを活用し、過去に商品を購入したことのあるユーザーに対し、その購入履歴に基づいた類似商品のセールやキャンペーン情報を配信しました。
LINE公式アカウントにおいて、友だち追加したユーザーの詳しい情報は、LINEアカウントだけでは分からない場合が多いです。しかし、ID連携を実施することで、企業の会員情報などLINE外のデータをLINEアカウントと紐づけることができ、より詳細な顧客データをメッセージ配信に活用できます。

このように、ID連携を活用することで、ユーザー一人ひとりの興味関心に合わせたパーソナライズされた情報を提供することが可能になり、メッセージの効果を高めることができます。LINE外のデータを簡単にLINE公式アカウントでの配信に生かせる点が、ID連携の大きな利点と言えます。
※本事例で活用した機能の利用にはLINEの拡張ツールの導入が必要です
2.レシート応募キャンペーンで購買者の属性データを取得
食品メーカーB社が実施した「アンケート×レシート応募キャンペーン」は、友だちに対してアンケートへの回答を促すバナーを配信し、アンケート回答後に購入した対象商品のレシート画像をアップロードすることで抽選に参加できる仕組みでした。
このキャンペーンは、アンケート回答が必須であるため、通常のレシート応募キャンペーンと比較するとユーザーの参加ハードルはやや高くなります。
しかし、このハードルを越えて応募に至ったユーザーは、商品への関心度や好感度が高いロイヤリティの高い層であると考えられます。そのため、アンケートの回答内容を分析することで、商品への熱量が高いユーザー層の属性や傾向を詳細に把握することが可能になります。
特に、メーカーのように消費者との間に小売店を挟むビジネスの場合、購買者のニーズを直接把握する機会が少ないため、このキャンペーンは購買者の属性データを直接取得できる有効な施策となります。

このようにレシートキャンペーンは、購買証明とアンケート回答を組み合わせることで、単なる販売促進だけでなく、顧客理解のための重要なデータ収集手段としても活用できるのです。
取得したデータは、今後の商品開発やマーケティング戦略の立案に役立てることができます。
※本事例で活用した機能の利用にはLINEの拡張ツールの導入が必要です
3.自動配信で顧客体験向上を実現
生命保険会社C社は、資料請求を行ったユーザーに対して、LINE公式アカウントを通じて自動でフォローアップメッセージを配信することで、顧客体験の向上を実現しました。
以前は営業担当者が電話でフォローアップを行っており、人員不足や成約率の低さが課題でした。
そこで、LINE公式アカウントから資料請求できる仕組みを導入し、LINEユーザーIDと資料請求の有無を紐づけて管理できるようにしました。
資料請求したユーザーに対して後日自動でフォローアップメッセージを配信する仕組みを構築することで、営業担当者の工数を削減しました。さらに、フォローアップメッセージにはユーザーの保険に関する不安を解消するコンテンツを含めることで、顧客満足度を高め、成約率向上にも繋がりました。
この事例は、LINEのステップ配信機能を活用した好例と言えます。ステップ配信は、友だち追加などの特定の条件を満たしたユーザーに対し、あらかじめ設定したシナリオに沿ってメッセージを自動で配信できる機能です。資料請求後のフォローアップはもちろん、商品の購入やサービスの利用といった特定のアクションをトリガーにしてメッセージを配信することも可能です。

このように、自動配信機能を活用することで、効率的かつ効果的な顧客コミュニケーションを実現し、顧客満足度とビジネス成果の両方を高めることが期待できます。自動応答メッセージ機能と組み合わせることで、24時間365日の問い合わせ対応や、よくある質問への自動回答も可能になり、顧客の利便性向上と企業の業務効率化に貢献します。
4.AIチャットボットで手続き簡略化
地方自治体Dは、LINE公式アカウントにAIチャットボットを導入することで、行政手続きの簡略化を図りました。
例えば、LINE公式アカウント上にAIチャットボットを実装し、住民からの問い合わせ対応を自動化しました。これにより、子育てやごみの分別など、暮らしに関するよくある質問に対して24時間365日いつでも自動で回答できるようになり、住民は知りたい情報をいつでも手軽に入手できるという利便性の向上につながっています。
また、自治体側にとっては職員の問い合わせ対応にかかる負担軽減に貢献しています。
別の事例では、AIチャットボットを活用して粗大ごみ収集の申し込みを受け付け、さらにLINE上で処理手数料のオンライン決済まで可能にしています。

これにより、住民は役所の開庁時間を気にすることなく、LINE上で手続きを完了できるようになりました。AIチャットボットは、このように住民からの問い合わせ対応だけでなく、特定の申請や予約受付といった手続きの一部または全体を自動化することが可能です。
※本事例で活用した機能の利用にはLINEの拡張ツールの導入が必要です
5.LINEミニアプリを活用した来店予約
LINEミニアプリは、ユーザーが追加のアプリダウンロードや会員登録をすることなく、LINEアプリ上で様々なサービスを利用できる仕組みです。
この機能を活用した来店予約は、特に美容院や飲食店、小売店舗などで導入が進んでいます。
美容院Eでは、LINEトーク画面からミニアプリにアクセスし、そのまま予約を完了できるようにしました。
これにより、ユーザーは普段使い慣れているLINEから手軽に予約ができるため、利便性が向上します。
さらに、予約日時が近づくとLINEのサービスメッセージでリマインド通知が送られるため、予約忘れや無断キャンセルを減らす効果も期待できます。LINEミニアプリを利用したユーザーにLINE公式アカウントの友だち追加を促すことで、継続的な情報配信が可能になり、リピーター育成にも繋がります。
来店予約以外にも、飲食店でのテーブルオーダーや順番待ち受付、小売店でのデジタル会員証としても活用されており、店舗の混雑状況の確認や混雑緩和にも役立てられています。LINEミニアプリは、顧客体験の向上と店舗運営の効率化を実現するツールとして、様々な業種で活用が広がっています。
おわりに
いかがでしたか?
今回はLINE公式アカウント運用の基本となる内容の記事をまとめてご紹介しました。ポイントをしっかり押さえて運用することで、LINE公式アカウントを企業のマーケティングに効果的に活用することができます。
とはいえ、アカウントの運用をしていると、様々な悩みや壁にぶつかることでしょう。
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